「長い長い殺人」宮部みゆき



宮部みゆきさんの「長い長い殺人」を読みました。何人ものユーザーから「サイフを使ったミステリーがあるよ」と教えていただいた本です。ある事件に絡んだ人たちが持っている、10個のサイフがそれぞれの持ち主を話すことで、連続殺人事件の全貌がわかってくるというストーリーです。まァ、ぼくは評論家じゃないから書評は専門家に任せるとして、宮部さん、サイフの見方がステレオタイプになってしまっているな。たぶん普通の人の認識なんてこんな程度なんだろうな。でもいまさら本革製なんていう言葉は死語だと思うし、合皮のサイフなんてまだあるのかな。この程度の認識じゃアイソラのユーザーを理解することはできませんね。

サイフって日常使う道具の中でも、いつも見につけているとても身近にあるものなのですよね。そしてサイフを見ればある程度持ち主が想像できてしまうっていうことも、けっこうありえることなんですよね。だからこんなストーリーの小説が考えられたのでしょう。でも最近はアイソラ・ユーザーはいくつものサイフを持ち回す人が増えてきているから、この小説に出てくる人たちのようにたったひとつのサイフで人格や生活を語られてしまうっていうのもちょっとムリがあるな。

ひとつ気がついたことは、この小説に出てくるサイフって、ほとんどプレゼントされたものなんです。男性の持っているサイフは妻や娘や姉や母親からもらったものだし、女性も自分で買った人は少なくて、拾ったサイフとか酔客にプレゼントされたものとか。たしかにサイフってプレゼント・アイテムの代表みたいなものだけれど、とても使用頻度の高いものだから、一生懸命探して、自分で気に入ったものをゲットしたほうがいいのになと、プロのぼくは思います。

やっぱり今の時代なんだから、ひとつぐらいはルイ・ヴィトンかプラダとか、ナショナルブランドが出てこないと現実感がないな。そしてそういったブランドのオーナーがどういった人格を与えられるのかを見たかった気がします。とはいっても商標登録的にムリなのかな。そしてもちろんこの小説では一番いい役柄の探偵には、やっぱりアイソラ・モノを持っていて欲しい。ってそれはムリか。宮部さん、アイソラのことを知っているわけないものな。

こんなことをブツブツいいながらも楽しく読ませてもらった、サイフ屋のプロのぼくでした。

2003.4.20
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