尺とセンチ、どっちが便利?


 出来上がった商品サンプルをチェックしていて、カードを入れる箇所の幅がちょっと狭いなと思い、職人さんに広げるように指示したとします。そうすると1mm広げてもほとんどわからないし2mmでは広すぎる。1.5mmひろげるとちょうどいいということに気づきます。1mmという間隔は人間にとってちょっと合いづらくて、1,5mmぐらいが一番感覚的に認識しやすいのでは、と思います。

 サイフの職人さんの世界ではいまだに尺貫法が使われていて最小単位は5厘で1,5mmです。その上は一分で3mm、1寸で3,03cm、1尺の30,3cmと続きます。イギリスのヤードポンド法では1フィートは30,43cmです。

 フランスで生まれたメートル法は地球のサイズを基準にして作られましたが、わが国の尺貫法や海の向こうのイギリスのヤードポンド法は、長い時間をかけて人間の動作やサイズを規準にして作りあげられていったので極似した数値になったのでしょう。
 一時ゴルフがヤード表示からメートルに変えたことがあったけど、すぐにまたヤード表示に戻しました。きっと距離の目測や歩測の感覚には合わなかったのでしょう。

 サイフの製造は、動力ミシンなどの機械は使いますがほとんど手作業で行う昔ながらの家内工業です。僕も今では、精密さよりも感性を大事にするこのような業種には尺貫法のほうが合ってるなと思うようになりました。


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