皮から革へ

 すべての動物は皮をまとっています。動物の皮は柔軟性に富み、非常に丈夫ですが、皮は肉と同様に動物から剥いでしまうとすぐに腐ってしまいます。またそのまま干しあげるとカチカチの「するめ」のようになってしまいます。
 そこで種々の薬品を使い、皮が腐ったりカチカチになるのを防ぐ方法が考えられました。そのことを私たちは「なめし」と呼んでいます。そこでなめされていない状態のものを「皮」、なめした状態のものを「革」と書いて区別します。すなわち「なめし」とは皮を革にするという意味です。
 それでは内側に使われているキップを例にとって製造工程をお話しましょう。
お話:(株)新二幸 営業部長 斉藤 弘行さん

内キップ製品



なめしのドラム


なめした革
1:なめし
この革はアルゼンチン産のオーバーウェイトキップ(生後1年〜2年の牛)で1頭分2.5u〜3uの面積があるものを背中で左右半分に切ったものです。ちなみに成牛(2才以上)になると面積は1頭で4u〜5uになります。

まず石灰を使って脱毛した革をドラムでクロームなめしにします。塩基性硫酸クローム液の化合物が皮のコラーゲンの酸根と結合して皮はなめされます。なめし上がった革は青みを帯びた白色で、やわらかなものです。


染色ドラム
2:染色及び加脂
染色用のドラムで指定の色に染めます。このなかに動物性の「脂」や植物性の「渋」を加え、色づけとともにクロームなめしで引きしまった革の繊維をふくらませたり弾力性を持たせます。
ここまでの作業を水場といい、水に浸かった革はとても重いので重労働です。また冬は水も冷たくつらい作業です。



真空張り
3:乾燥
「バキューム」(真空張り)で染め上がった革の水分を急速に抜き取ります。そのあと「ネット張り]といって金属の網に張りつけ、50℃程度の熱でゆっくりと乾燥させます。


ステーキング
4:味とり
革のやわらかさや弾力性を手で触った感覚=触感を「味」と呼んでいます。コンディショニングやステーキングといわれる機械で乾燥されたあとのカパカパした革をもみほぐします。


仕上げ
5:仕上げ
最後にアイロン掛けをして表面を滑らかにしたり、ツヤを出したりします。アイロンは熱と圧力を調整して指定の革に仕上げます。

6:完成
後半は高温の作業場で行うため、夏はたいへんな作業です。

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